事例紹介専門家派遣制度『福島県よろず支援拠点』Vol.4 株式会社起点様
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専門家派遣制度『福島県よろず支援拠点』Vol.4 株式会社起点様

事例紹介

今回は、令和3年3月〜現在にわたり経営課題の解決のため、人材マッチングを活用して成果を出された株式会社起点代表取締役 酒井悠太様に副業人材の活用とその効果についてお聞きしました。

※本記事は、うるしの実クラブ会報誌 Vol.4より抜粋・再編集したものです。

Skill Shift ロゴ

専門家派遣制度「副業人材活用事業」

「副業人材活用事業」は、いわき市が株式会社みらいワークスと連携して実施している事業です。同社が運営する、地方の事業者と都市部の副業人材をマッチングするプラットフォーム「Skill Shift(スキルシフト)」を活用しています。

  • 地方貢献を希望する都市部の人材が登録。
  • オンラインでの業務が中心。
  • 事業者はプロジェクト単位で人材を募集可能。

いわしんでは、お取引先の多様な経営課題解決のため、こうした外部支援機関との連携も積極的に行っています。

Q1. いわしんから人材マッチング活用の提案を受けるきっかけと、当時の課題をお聞かせ願います。

A.弊社は、東日本大震災後の2012年春にスタートした有機栽培の綿花で福島の農業再生と、収穫した綿花を元に繊維産業の確立、地域内外の人と農作業を共にすることで地域コミュニティの創生を目的とした復興事業「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」から独立する形で、2019年4月に設立しました。
有機農業による在来種の綿花栽培と、それを原料とした製品の企画・開発・製造で自社ブランド製品「SIOME」の販売を行っています。起業して早々に新型コロナウイルス感染が流行し、それまでメインとしていた“BtoB”の案件が軒並みキャンセルとなりました。対抗手段として、商品開発および販売先を“BtoC”に切り替えていこうと考えましたが、実績が無い弊社にとって、販売計画を組みなおすことは相当困難な作業でした。
震災復興プロジェクトとして続けてきたソーシャル事業をビジネス化するにあたり、先ずはプロモーション製作を見直す必要があると思案していた最中に、“いわしん”から「副業人材活用」の提案をいただきました。
弊社のスキルだけではクリア出来ない課題もあると感じていたので、特定の専門家を一方的に派遣する仕組みではなく、自分たちがハンドリングして伴走いただく専門家を決めるという仕組みが面白いと思い募集することを決めました。


Q2. 副業人材に求めたことやコスト面についてお聞かせ願います。

A.いわしんがいわき市と連携して取り組んでいる「副業人材活用事業」を通じ、首都圏の大手企業で働きながら副業として地方の事業者のプロジェクトに参画を希望する若者とをマッチングするプラットフォーム「Skill Shift」(運営会社:株式会社みらいワークス)に対し「自社製品の広報・PR・ブランディングの強化」と題し求人募集をしました。
当時、被災地復興プロジェクトからスタートした事業をローカルビジネスへ転換するために、これまで積み重ねてきた実績や新たに発信したい社風、扱う素材の特徴を、どうすれば消費者にうまく伝えることが出来るか、これらが正しく言語化・視覚化され、魅力あるコンテンツとしてHPやメディアに効果的に発信したいというニーズでした。
謝礼については個別の交渉となりますが、およそ3万円/月を基本としました。

Q3. 副業人材からの支援の成果や現在の取組み内容についてお聞かせ願います。

A.事業背景の強み、原材料の在庫問題など、様々な視点からヒアリングを重ね、新商品開発プロジェクトの提案をいただきました。又、外部発信の手段としてアワードへの応募を検討し、「ソーシャルプロダクツアワード2022」で年度大賞を受賞することが出来ました。その他、他業種との連携やファイナンスについても適宜アドバイスをいただきました。
又、弊社のような少人数の事業体では満足に出来ていないタスクが多々あり、PR以前に行う必要がある諸問題を一から整理いただきました。現在も既存商品のブランディング整理、セールス向上、マーケティングの組み直しなど総合的なコンサルティングを受けています。


Q4. 最後に副業人材を活用した感想をお願いします。

A.社内だけでは妥協で終わってしまう様なことについても厳しく言及いただいたことで課題の解決に前進して良かったと思います。第三者が介入することで、社内人材の連携における“潤滑油”としても機能していただきました。
又、予め決まっている専門家の中から選ぶのではなく、様々な業種の方が多く登録されており年齢が近い方とご一緒できたことでコミュニケーションが取りやすかったです。短期間で課題を解決して成果を出すことは難しいとは思いますが、現在副業人材の方とご一緒して進めている企画は途中であきらめるのではなく、全てやり遂げた上で満を持して契約満了という形で昇華したいと思っています。