事例紹介専門家派遣制度『福島県よろず支援拠点』Vol.3 太陽自動車株式会社様
Topics

イベント・お知らせ

専門家派遣制度『福島県よろず支援拠点』Vol.3 太陽自動車株式会社様

事例紹介

今回は、平成30年5月~令和3年9月の3年間にわたり通算22回の相談を実施している太陽自動車株式会社 代表取締役社長 小野大介様に、相談業務の活用とその効果についてお聞きしました。

※本記事は、うるしの実クラブ会報誌 Vol.3より抜粋・再編集したものです。

よろず支援拠点 ロゴ

専門家派遣制度「福島県よろず支援拠点」

「よろず支援拠点」は各都道府県に設置されている国の公的支援機関です。「よろず支援拠点全国本部」のホームページでは同機関の特長を次のように紹介しています。

  • ご安心を。よろず支援拠点は国が設置しています。
  • 経営上のあらゆるご相談に何度でも無料で対応します。
  • 中小企業・小規模事業者(個人事業主等)、NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者に類する方、創業予定の方のご相談、お待ちしています。

いわしんが顧問契約を結ぶ中小企業診断士等の外部専門家による常設の相談に加え、お取引先に対し専門性の高い分野の経営課題解決に向け、福島県よろず支援拠点をはじめとした外部支援機関と連携した専門家派遣の活用を積極的に提案しています。

Q1. いわしんの専門家コンサルの支援を受けるきっかけと、当時の課題は何ですか?

A.弊社は、私の祖父が昭和34年に創業し、昭和37年9月に法人設立した自動車販売・修理・整備及び板金塗装等車両の総合サービス業です。二代目で父の圭一が事業を拡大し、令和3年3月、三代目として代表取締役社長に就任しました。
私がトヨタ自動車、損保ジャパンの勤務を経て、平成20年に入社し、店長として勤務していた平成30年、当時の社長(現会長の圭一)が「事業承継」の準備を考えていました。
いざ、事業継承を進める段階で第三者の指導を仰ぎたく、“いわしん”に相談したところ、専門家コンサルの先生をご紹介いただきました。

Q2. どのようなアドバイスを受け、どのように対処してきましたか?

A.先ずは、専門家コンサルの先生から開口一番に「いつ社長交代するか、決めてください」と早々に大きな決断を迫られました。次に、私に5年後の組織図を「手書きで」作成すること、の宿題をいただきました。組織図を作成することの目的は、

①将来を見据えた経営の決断をすること
②そのために「計画」があること
③組織としてどの人材で計画に望むのかを熟慮すること

等、きめ細やかなご指導をいただきました。当時、社長とは経営方針の違いで意見がぶつかり合い、口論にまで発展することも多々ありました。しかし、経営者として親子の感情よりも従業員の将来やお客様の笑顔を思い浮かべながら、新たな経営の軸を立ち上げることを優先に考えて取り組みました。

そのような中、令和2年に新型コロナの感染が拡大し、弊社の売上高も減少し始めました。
そして、さらに追い打ちをかけるような危機が来ました。父の食道癌が見つかり、長期入院治療により社長不在の状態となったのです。幸いにも手術は成功しましたが、声帯を切除し、社長は声を失いました。
コンサルを受けていたこともあり、話し合いの結果、父は交代するタイミングだと判断し、令和3年3月、三代目として私が社長に就任しました。


Q3. いわしんの専門家コンサルの支援についてどう思われますか?

A.父の大病のこともあり、交代の時期は当初予定していたよりも若干早まりましたが、3年前からのご指導のもと、計画的に準備を行ってきたことで経営者としての覚悟が醸成でき、本当に感謝しています。
特に、私が当時手書きで作成した組織図は、正に今その通りになっています。
おかげさまで、自分たちだけでは進めることが難しかったことを実現することができました。今だから言えますが、会長は声を失いましたが、それ以上に得たものが大きかったと本人も認識していると思います。

Q4. 御社の経営理念と今後のヴィジョンをお聞かせ願います。

A.今、車業界は100年に1度の変革期と言われ、その象徴のキーワードが【CASE】です。

  • CONNECT……つながる車
  • AUTONOMOUS……自動運転化
  • SHARE&SERVICE……カーシェアリング
  • ELECTRIC……電気自動車

その変革期の中にあっても、弊社の経営理念は創業者の祖父が創業当初に掲げた「お天道様に恥じぬ行為を第一主義とし、行動し、かつ実践します」としております。そして、将来のヴィジョンとしては、

【顧客を第一に考えた、より信頼される会社を継続すること】
【社員がやりがいを感じることができる仕組み作り】
【お客様に満足していただける車、サービスの提供を実践していくこと】

時代の変化に対応する、新しいことへチャレンジする、基本を地道に継続することが最善の策だと考えております。難しい時代ではありますが、どんな困難にも立ち向かえる強い会社にすることを最大の目標にしたいと思います。