今回は、2019年から2年にわたり通算5回の相談を実施している有限会社旭翠商事(Hotel Apex Resort)代表取締役社長 坂本光雄様に、「よろず支援拠点」の活用とその効果についてお聞きしました。
※本記事は、うるしの実クラブ会報誌 Vol.2より抜粋・再編集したものです。

専門家派遣制度「福島県よろず支援拠点」
「よろず支援拠点」は各都道府県に設置されている国の公的支援機関です。「よろず支援拠点全国本部」のホームページでは同機関の特長を次のように紹介しています。
- ご安心を。よろず支援拠点は国が設置しています。
- 経営上のあらゆるご相談に何度でも無料で対応します。
- 中小企業・小規模事業者(個人事業主等)、NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者に類する方、創業予定の方のご相談、お待ちしています。
いわしんが顧問契約を結ぶ中小企業診断士等の外部専門家による常設の相談に加え、お取引先に対し専門性の高い分野の経営課題解決に向け、福島県よろず支援拠点をはじめとした外部支援機関と連携した専門家派遣の活用を積極的に提案しています。
Q.「福島県よろず支援拠点」の支援を受けるきっかけと、当時の課題は何ですか?
A.弊社は、先代の社長が昭和56年3月に設立し、現在は、平のビジネスホテルと不動産賃貸業を経営しております。
ホテル部門(旧名称ビジネスホテルアサヒ)については、原発事故後にしばらくの間、事故処理作業のために長期滞在されるお客様が多く利用されていましたが、現在は新型コロナウイルスの影響を受け当ホテルの経営環境は他業種同様に厳しいものに直面しています。
そうしたなか、かねてから構想していた従来からの出張者向けの長期滞在主体のビジネスホテルからのイメージを一新し、女性や家族層向けにゆったりとくつろげるホテルに改装する計画があることを”いわしん”に相談したところ、「よろず支援拠点」の建築デザイン専門の先生をご紹介いただきました。
よろず支援の先生と一緒にホテルのコンセプト、理念等を明確に定め、それに沿ったホテルのイメージを一から創り上げていく作業でした。一番の課題はコロナ禍の中、従来のホテルの営業を継続しながら、改装工事を行うことでした。宿泊されるお客様の中には、夜間から早朝にかけてお仕事をされ午前中からお休みになる方もおられて、工事の騒音で多大なご迷惑をおかけしたこともありました。
Q.どのようなアドバイスを受け、どのように対処してきたのですか?
A.「よろず支援拠点」の先生からは、
①ホテルのコンセプト、理念を明確にすること
を先ず優先に決めるようご指導いただきました。以前から社長の強い思い入れがある「大人なハワイ」、「日常の中のリゾート」をコンセプトに定め、
②お客様目線に立った、導線・レイアウト等の配置を徹底すること
③コンセプトに即した空間を想像すること(全体の色使い、客室内の壁、家具、備品等々)
のご指導をいただきました。お陰様でエントランスの改良、フロント・自販機・製氷機等の位置変更、レストラン・エレベーター内・廊下等全体を通して一貫した理想のホテルに仕上げることが出来ました。

Q.「福島県よろず支援拠点」の支援についてどう思われますか?
A.今回の改装計画については、正直なところ「これでいいんだよな?」「これでいいよな!」等々自問自答しており、常に第三者の客観的な意見を求めていました。運よくいわしんに相談したおかげで、自分たちで見つけることは困難であった専門家の先生と巡り合うことが出来ました。又、当相談業務は無料ということでとても気軽に相談でき改めていわしんと取引していて本当に良かったなと実感しました。先生と何度も熱い議論を通して結論を導いていただいたおかげで、現在のホテルとして生まれ変わることが出来たことを本当に感謝しております。
Q.御社の経営理念と今後のビジョンをお聞かせください
A.弊社は、一般的なビジネスホテルを経営しておりましたが、以前より私どもの想いはハワイを五感で感じることが出来るおしゃれな癒しの空間を低予算で提供するホテルづくりでした。Hotel Apex Resortの理念は「お客様の笑顔が見たい」です。そのために、弊社は常に全力で「人に寄り添い、人に喜んでいただける企業」を目指してまいります。
